まるぽて

みかこのなんでも書くブログ

スキーの先生はトマトが好きだった

みかこです。

 

たまにスキーします。

 

夫が彼氏になりたてのころ、大学の仲間のイベントでスキーツアーに行きました。

20年くらい前。ゲレンデにはGLAYとか、倉木麻衣とか、今はベテランという感じのアーティストの売れ出したころの曲が大音量でかかっていて、内田有紀ちゃんがヴィクトリアのCMに出てたっけ・・・

 

初スキーだったのに、レッスンにもつかず、いきなりみんなと滑ろうとしたわたしは、スキーを履いた瞬間にバタッと後ろに倒れました。

周りにいた仲間たちは、不憫そうに、でも面白がって、「早く起きなよ」と言いながら倒れているわたしのことを上から覗き込んでいました。

恥ずかしいし早くなんとかしたいけどどうにも起き上がれない。

見かねた夫に起こされて、不機嫌なままスキーツアーが始まりました。

 

夫は小さい頃から毎年親に連れられてスキーをしていたので、とっても上手。

わたしの方を見ながら後ろ向きで滑ったりしてます。

一緒にリフトに乗ったものの、全然進まなくって、転びながら滑り、転びながら滑って、1回降りたところで「わたしにはスキーは無理だ」とあきらめました。

 

それから何年も経って、結婚したあと、スノーボードに行ってみました。

スキーはダメだったけど、スケボーは多少やってたから、ボードならいけるんじゃないか。

と思って、ちょっと調子に乗ってスピードを出していたところ、大転倒して、足首をやってしまった。自分は自分の重さでほぼ動かないのに、ボードは勢いのついたまま回転する。ボードを脚に固定してるから、足首以降だけがボードに持って行かれ、すごい力が足首にかかってしまいました。

あまりに痛いので翌日医者に行ったら、靭帯が伸びてしまっていると。

高いヒールが大好きで、そんな靴ばっかりだったけど、どれも履けなくなりました。

 

そんなわたしと夫が札幌に越してきました。

夫はシーズンになると、毎週のように安く気軽にスキーに行けて大喜び。

わたしは、仕事で篠路の病院へ行く道はホワイトアウトするし、ウインタースポーツはどれもダメだし、冬の何もかもが怖くて仕方がない。

 

それでも、せっかく札幌に来たんだし、足もわりと良くなったしと、正月休みにスキーに行ってみました。(懲りない)

 

夫はなぜかゴンドラに乗り、中級者コースみたいなところへ連れて行かれ、滑ることに。

傾斜がきつくて、すぐに滑りすぎて転ぶ。起き上がり方がわからないわたしは、起きるのも大変。ものの5分くらいで、頭の中が恐怖でいっぱいになってしまった。

 

自分の横を、小さい子が簡単そうにどんどん滑り降りていく。

情けないし、いろんなところが痛いし、悲しくなって来て、泣いた。

 

ズルズルとお尻で滑ったり、スキーを脱いで歩いたりしましたが、埒があかないので、さいごは夫のスキーの後ろにつかまって滑り降りる、という感じになりました。

 

やっぱりできるようにならないんだろうか。

せっかく北海道にいるんだけど。。。

 

スキーって、北海道の人はみんな滑れるんでしょうか、と、職場の人たちにきいてみました。

滑れる人は滑れるけど、滑れない人は滑れない。

でもみんな最初は教室で習ったり、上手な親に教わったりして、やってるよ、と。

 

そういえばちゃんと教わったことないなぁ。

 

次のシーズン、レッスンを申し込みました。

靴の履き方から始まって、準備運動、起き上がり方の練習、歩く練習、ちょっとずつ慣らしながら、やることのハードルを上げていく。

先生に教わりながら、自由に滑っている上手な人たちもガン見して、自分もできるだけ真似してみる。と、なんだか、カタいながらも滑れるように。

 

できるじゃないか。

 

先生には「運動神経いいんだね」と言われました。

小学校、中学校、高校と、体育はいつも5段階でいうところの「2」が付いていたので、生まれてこのかたそんなことを言われたこともなかったし、「自分は運動が苦手」と思い込んでいたけど、もしかしたら、すごい太ってたのがハンデになってただけで、センスはそんなに悪くないんじゃないか。

 

味をしめて、またレッスンに行ってみたら、今度はマンツーマンになって、パラレルを教わりました。完璧じゃないけどだいぶできてきた。止まり方も様になってきた。滑るのが楽しくなってきた。

 

先生とリフトに乗りながら、初めてのスキーで上手く出来なかった話をしました。

「そういう嫌な思いをさせて、トラウマを作っちゃうのはもったいないね。みんなちゃんと教えたらできるんだからさ。」

それから先生のレッスンへの想いやいろんな話を聞いていました。

野菜が好きで、トマトが好きで、トマトジュースを飲むんだけど、どこのでもいいわけじゃなくて、カゴメのがいいんだとか。

うちの夫はトマトが嫌いなので、夫がトマトを好きになるヒントがもらえるかなと、先生に「トマトのどこが好きなんですか?」ときいてみました。

 

「あの真ん中のゼリーみたいなジュルジュルのところ」

 

え。

夫はそれが嫌で食べないと言っていたのに。

 

ある人にとってはいやなところでも、ある人にはそれがあるからいいってことがあるのか。

それは人間関係にも言えることなのかも。

わたし自身はどこも変わらなくっても、好きになってくれる人と嫌いになっちゃう人がいるんだ。

 

そのころは人間関係で悩んでいたりしたので、とても気が楽になりました。

 

スキーもできるようになったし、思わぬところで気づきも得られた。

レッスンに行ってみてよかったなぁ、と思ったわたしは、それからスキーを楽しんでやれるようになっています。

 

昔ダメだったことも、今の自分ならできるかもしれない。ちがうやり方ならできるかもしれない。

だとしたら、あなたのやってみたいことは何ですか?

 

f:id:mp-mikako:20180102114740j:plain

晴れた日のスキーは景色も良くて最高です