道とはなんぞや
みかこです。
書道で準2段になりました。
変な話、始めた頃と比べて、字を書く腕前はそんなに大きくは変わっていないのです。
変化としては、字がちょっと堂々としてきたかな、ぐらい。
書道を始めたきっかけは、小学生の頃、やめたくなかったのにやめさせられたのですが、もう一度やれるようになったからやるぞ、ということがひとつと、字を褒めてくれる人は多いし、それなりに自信はあるけど、それを客観的に表すものが何もないな〜というところで、段位や師範を目指してみてはどうか、と考えたことがひとつ。
私の通っている書道教室では、「腕前に応じて飛び級」とかはありません。
地道に作品を提出して、一つずつ登っていくしかないのです。
そして、地道に通っている人の方が、合格しやすいのだとか。
それって客観的かつ公正な評価ではないのでは?
と思う方もいらっしゃるでしょうが、「道」がつく習いごと(と呼ぶのも微妙か?)は、技術の向上(書道の場合、お手本そっくりの字を書けるようになること)を目指しているのではないのです(ということに、最近合点がいきました)。
技術向上のために色々しますが、その背景にある哲学というか、生き方というか、人としての味というか所作というか、振る舞いをその中で学んでいるわけです。
品格とでもいうのか、そういうものは、一朝一夕で身につけられるものではない。
「道」のつくものは、日々の修練を通して、品格を身につけていくものなのだと思います。
その品格が、そのまま筆の運びに現れ、カタチそのものだけではなく、勢いだとか、落ち着きだとか、集中力だとか、心意気だとか遊びごころだとか性格だとかが、見える人には見えるわけです。
たとえば、音楽を全然聴かない人には、ハイフェッツとオイストラフの演奏の何が違うのかわからないかも知れませんが、そういうのも、わかる人にはわかりますよね。
「それくらいの差」?「そんなにも大きな差」?
そして、有段者になるまでは比較的短かったですが、この先のステップの方が、はるかに多くてはるかに長いのです。
6級から始まり、1級の次は準初段。
段位は全て「準」のつく段階があり、7段で「師範」に入ります。
いま準2段なので、7段までいくのでも、少なくともあと11回は昇段試験を受けないといけない。
昇段試験は3ヶ月に1回しかないもんで、11回受けるのに3年近くかかります。
さらに「師範」にもいくつものレヴェルがあるのでございます。
それを、ライセンスだけを目当てに続けるのはちょっとクレイジーな気もします。
「書道をどこまでやるのか」と夫に訊かれましたが、やりたくなくなったらやめる、という感じ。
音楽もそうですけど、「ここまでできたらやめる」というものではないような気がしています。
しかも、コンクールのようなものもあるので、上達の楽しみがなくなることはないわけで。
忙しくなってあまりにも行けないでいると、月謝が無駄なように感じますが、問題といえばそれくらいで、書道の時間を大切にできる余裕を今後も持ち続けたいな、と思っています。