代わってあげられないこと
みかこです。
たまにゲームします。
何年か前、とあるゲームをやっていましたら、楽器の上手な少年が出てきました。
でも少年は呪いにかかって、両腕も石になってしまって、もう元のように楽器が上手に弾けないようになった。現実の世界では、彼は眠ったまま起きないので、両親がずっと看病しています。
少年は「別の世界」の中で自由に生きていました。
「別の世界」の中で、彼は、現実の世界では「すでに死んでしまっている」少女と出会います。
少年は、現実の世界では、もう楽器が弾けるのかどうかわからない。
だから現実に戻らず「別の世界」に来たままがいい。
つらいばかりの世界には戻るつもりはない、と言うんですね。
それを聞いて、死んでしまっている少女はブチ切れてビンタをくらわせます。
「・・・あなた私と代わりなさい!
わたし また生き返ることができるなら
どんなにつらい思いをしてもかまわない
永遠に大人になれない私たちより
ずっと恵まれているのに
甘えてばかりのあなたの気持ちなんて
わかりたくもないわ!」
少女の説得に応じて、少年は現実に戻ってリハビリを始めるんです。
そのゲームをやっていたころのわたしは、まさに現実逃避のためにゲームをやっていたもので、なんだか死んだ妹にそう言われちゃったような気がして、ただゲームをやっているだけなのに、涙が止まらなくなりましてね。
そのゲームには、ゲームなのに、精神的に引きこもっている人へのメッセージみたいなのがちょいちょい出て来ている気がしました。
制作側は、ちょっと勇気を出したらなんとかなることが、世の中にはたくさんあるんだというのを、ユーザーの何割かを占める「閉じてしまっている」人たちに、伝えようとしてるのかなぁと。
他にも、国を守るために犠牲になった妹とか、お兄ちゃんを助けに行く妹とか、きょうだいがらみの話が多くて、そのたびにぼろぼろと泣いていました。
わたしにとっての「喪の作業」の流れのひとつに当たったのかもしれないです。
代わりたくても代われないから、わたしはわたしの人生をめいっぱい楽しんで生きるのが、もう死んでしまった人たちへの手向になるんじゃないかと思っています。
「いつも主にあって喜びなさい。
もう一度言います。喜びなさい」
(ピリピ人への手紙4:4)