まるぽて

みかこのなんでも書くブログ

武田鉄矢が描けなくて3日休んだ話など

みかこです。

 

絵を描くのが得意でした。

 

「絵(マンガ)が上手なのがわたし」と思っていた中学〜高校の頃は、日々、描きたいだけ描き、授業中でも最前列でも何色も持っているカラーペンでフルカラーで描き、同じく授業中でもペン入れしたマンガの原稿に消しゴムをかけたりもして、そんなことしてても成績は悪くないから先生もどう指導していいのか困っていたかもしれません。

 

そんな調子で絵にこだわっていて、わたしはここにいる誰よりも絵が上手くないといけないと思っていて、上手にできないと腹が立ってしまう状態でした。

 

心ある先生たちは「この子は絵が好きなんだ、得意なんだ、上手くなりたいんだ」というふうに見てくれていたと思います。

自分の授業を聴いてないことに腹をたてる先生ももちろんいて、描いた絵の上からチョークでぐしゃぐしゃと塗られたこともあります。

そんなのにもめげず、気にも留めず、ずっと描いていましたが。。。

 

中学生の頃、ある日、英語の先生が武田鉄矢の似顔絵描いてくれる?」と、軽い気持ちでわたしに頼みました。

 

きっと、先生は「簡素な線で、なんか武田鉄矢っぽく見えるおじさんイラスト」を描いてもらえればそれでよかったのですが、当時のわたしにとっては、武田鉄矢さんは特別好きな異性というわけでもないし、見ないと上手くかけなくて、雑誌とか録画してるテレビ番組とか(「3年B組 金八先生」がやってた気がする)いろんなもので武田鉄矢さんの写真、画像を探して、ものすごく集中して、1本の線にもこだわり、ああでもないこうでもないと直しながら、ああ、今日も上手く書けなかった、と落ち込んでは具合が悪くなり、胃が痛くなり、学校を3日休みました。

 

やっと納得したもの(鉛筆で、肌の質感や陰影にもこだわり抜いた絵)が描けて、先生に提出したのですが、授業では、その先生が描いたらしい、あんまり似てないけど「簡素な線で、なんか武田鉄矢っぽく見えるおじさんイラスト」が出てきました。

 

「誰それ〜」

武田鉄矢だよ」

「似てな〜い」

 

とかなんとか、やりとりしながらも、みんな楽しそうに授業を受けていて、そういう絵でよかったんだと、わたしは一人でショックを受けていました。

先生は、「使わなくてごめん」と言ってくれたし、そのことは、ひどいことをされたという思い出ではなくって、「わたしはなんだかどうも、周りとちょっと感覚がずれているらしい」という認識をもつ材料のひとつになりました。

 

 

今でも、思ったことを素直に伝えると、最初は「みかこさん大好き〜」とか言ってた女の人や、最初は超デレデレしてた男の人に、まるで存在しないもののように扱われたりすることもあります。

考えすぎてしまい、出した答えがぜんぜん的外れなこともあります。

 

そういうわたしでも、面白いと思う人がいてくれる事実と、自分で自分を傷つけないことを覚えたので、病気にはならず、ふつうに生活できています。

そして、こういうわたしを面白いと思う度量のある人のことは、尊敬していて、そのような人たちに、心から感謝しています。

 

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コーチやコンサルタントが、クライアントをホストみたいにしてるときがある



 

そういえば、誰かを好きになったら、その子の顔を何も見ないでそっくりに描いたりしてました。

当時好きになった男の子も絵が上手でした。わたしのマンガみたいなのじゃなくって、油絵をやってて、超本格的で、学校にも飾ってあった。

そんな人が、隣の席になったとき、休みがちだったわたしのことを「隣にいないとつまんない」って言ってくれた。

その子はその子で、超可愛い子のことが好きだったんだけど、そういうことはどうでもよく、「そこにいても良い」ということを言ってくれたのが、とても嬉しかった。

 

最近、超ブレイクした映画「君の名は。」を見終わってスタッフロールを余韻とともに眺めてたら、その子の名前が出てきて、あんまりいない名前だったんで検索してみたら、どうも本人みたいでした。(予告編ディレクターでした。)

当時はテニスとかやってて、髪サラサラで、なんか、アニメとかマンガとはぜんぜん関わりのない、別の世界の人なのだと勝手に思っていたけど、別にそういうことでもなかったのかもしれない。

 

 

今の仕事のひとつで、施設の利用者さんと一緒に絵を描いたりすることがありますが、「絵が上手なのが取り柄」と思っている方の横で、わたしが妙に上手に描けていると、相手が緊張してしまうという場面もあったりして、どうしたらいいんだろうな〜と、そういうのも、目下、試行錯誤中です。